男子は2年連続出場の羽黒(山形)が難敵を退け、今年も初戦を突破した。優勝1度、2人のU-18代表を擁す土浦日大(茨城)を81-75で撃破。

先発の平均身長で約13センチ劣ったが、ガードに小柄な3年生3人を配し、スピード勝負の堅守速攻で名門の壁を崩した。過去19度の優勝を誇る能代工(秋田)は100点試合で快勝。福島東稜は2度目の出場で大会初勝利を挙げた。女子の東北勢は3校がいずれも敗れ、2回戦で姿を消した。

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東北高校スポーツは、今冬も佐々木だ! 能代工(秋田)が106点を奪って、大勝発進。188センチ、72キロの佐々木駿汰(2年)は、3点シュート5本を含む、両チーム最多タイ23得点で導いた。今夏の高校球界を盛り上げたロッテのドラフト1位190センチ右腕・佐々木朗希(3年=大船渡)にも似た容姿。「自分も佐々木投手みたいになれたら良い。この大会で全国に注目される存在になりたいです」。全国大会通算58冠を誇る名門のエースに名乗りを挙げた。

第1Qから“右腕”が輝いた。16-13から3ポイント2発を含む8連続得点で突き放し、流れを作った。第4Qでも連続で華麗な弧を描き、チーム16連続得点の一翼を担った。「個人的には最初から3ポイントを積極的に狙っていけた。能代工らしくスピードのあるパス回しからのドライブだけでなく、そこから外も使えるようになってきたと思う」。伝統の堅守速攻に加え、外国人留学生がいる強豪校対策の戦術にも手応えを得つつある。

役割を果たすため、朝、夜の自主練習では、3点シュートの“投げ込み”を欠かさない。「200本決めるまで続けています。今までは気持ちが弱かったけれど、強くなってきたと思う。外からの確率が大事になってくる」。今日26日の2回戦では鳥取城北と対戦。7本中5本を決めた“制球力”で頂点に挑む。【鎌田直秀】