帝京長岡(新潟)は、実践学園(東京)に82-75で勝利。第4クオーター(Q)途中で、マリ人留学生2人が5ファウルで退場するピンチに、PF関矢透弥(3年)が連続でシュートを決め粘る相手を振り切り、6年連続で初戦白星を挙げた。

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PF関矢はボールを胸に抱え、試合終了のブザーを待った。82-75で迎えたタイムアップ間際。相手シュートが外れ、リバウンドを拾い攻撃に移った。ボールを回して時間を稼ぎ、最後は関矢にパスが回ってきた。「今までにないくらいの活躍ができたので、最後は自分のところに(ボールが)ほしいと思っていた。うれしかった」。この日はチーム最多の18得点をマークした。

第4Q、ゲームは大きく動いた。70-53とリードを一時は17点差に広げるも、終わってみれば82-75の7点差。マリ人留学生のCディアラ・オマール(2年=202センチ)が残り6分42秒、Cディアラ・シディキ(3年=203センチ)が残り6分14秒で、ともに5ファウルで退場。「高さ」を失う最大のピンチを迎えた。

そんな危機に奮闘したのが関矢だった。72-67の場面で3点シュートとドライブシュートを連続で決め、チームに勢いをもたらした。「シュートは苦手。チームでの役割はディフェンスと体を張ったプレー」と話すが、この日は4本の3点シュートを成功させた。

本来の役割である守備では相手エースのPF江原信太朗(3年)への密着マークが光った。25得点を許したが、PF神田旦陽(3年)と交互にマークしスタミナを奪った。広神中時代は、県選抜メンバーとして都道府県対抗ジュニアバスケットで優勝を経験。関矢は「中学で日本一の経験があるから、緊張しなかった」と息詰まる攻防を涼しい顔で振り返った。【涌井幹雄】