NBAグリズリーズ渡辺雄太(25)の母校で、2年連続12度目出場の尽誠学園(香川)が、85-42で初戦を突破した。

42失点は、今大会の男子で最少失点。特に第1クオーター(Q)をわずか2失点に封じ、第2Qも6失点。中盤以降はベンチ入り15人中13人を出場させて経験を積む余裕の試合運び。約12分間の出場で両チーム最多20得点を挙げた松尾海我主将(3年)は「強い守備から攻撃につなげられた。リバウンドも良かった。前半で1ケタ(失点)に抑えられたことは次への自信につながります」と手応えを得ていた。

今夏に渡辺が練習に参加してくれた経験は、チームに大きなプラス材料となっている。「偉大な先輩ですが、練習に来てくださった有り難い先輩。アドバイスや言葉もいただいた」。チームのミーティングで授かった『ボールは裏切らない』の言葉は、今でも選手の心に深く刻まれている。「人間などには裏切られることはあっても、いつも練習で使っているボールに裏切られることはない。だからこそボールで積み重ねたものは自分たちの力になると信じています」。バスケットボール人生の糧となる言葉を胸に「雄太さんが注目されているので、自分たちも負けたくない。1戦1戦勝っていきたい」と、11、12年に連続準優勝した先輩の背中を追う。【鎌田直秀】