県勢が全滅した。男子は2回戦、帝京長岡は豊浦(山口)に53-54と1点届かず負けた。残り時間6秒8に主将のSF尾崎汰樹(3年)が逆転のレイアップ。ところが残り2秒2に再逆転を許し、ブザーと同時に尾崎が放った逆転勝利が懸かったシュートは外れた。初出場から5年連続で8強以上の成績を残してきたが、2回戦で姿を消した。男子の開志国際は福岡大大濠に76-82で敗戦。女子3回戦では開志国際が夏の覇者・桜花学園(愛知)に61-97で敗れた。

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全身に力が入り過ぎたのだろうか。試合終了を告げるブザーと同時にSF尾崎が放ったジャンプシュートは短かった。リングの手前にはじかれ、落ちていった。残り時間0秒3からの味方スローイン。尾崎のもとにボールは巡ってきた。だが逆転勝利への夢は実らなかった。コートで大喜びする相手を見ながら、帝京長岡メンバーは重い足取りで最後の整列に並んだ。

残り時間10秒から抜きつ抜かれつの激しいシーソーゲームになった。まず逆転に成功したのは帝京長岡だった。51-52の残り時間10秒3。味方スローインから、尾崎が逆転のレイアップシュートを決めた。「道筋が見えた」とディフェンスのほころびを見つける冷静なプレー。逆転を決めるとメンバーとともに歓喜を爆発させたが、喜ぶのは早すぎた。残り2秒2に豊浦のPF浜田真魂(3年)に再逆転を許し、再々逆転を狙った最後のシュートは決まらなかった。

尾崎はベンチにいる時、柴田勲監督(50)にこう言われた。「最後は絶対にシュートを打ってこい」。その厳命は半分達成し、半分は未達成になった。過去3年連続で4強入りしている強豪校の早すぎる敗退。柴田監督は「今年は、ここに来られるかどうか、だった。メンバーも固定できず、不安定だった」と言った。各クオーターごとにラインアップを変えて挑んだのは、その証拠。選手層は厚いが、逆に言えばチームの核が不在だった。尾崎は「練習から試合を想定してモチベーションを上げていって欲しい」と後輩に次を託した。【涌井幹雄】