洛南(京都)の小川敦也(2年=鳥屋野中)が冬の全国舞台を駆け抜けた。福岡大大濠に60-75で敗れたが、40分間フル出場で両チーム最多の22得点を挙げた。

過去4度優勝の名門校で2年生ながらスタメンを張るホープで、父忠晴さん(50)は、女子バスケットボールWリーグ・新潟BBラビッツの監督だ。サラブレッドは、来年へ雪辱を誓った。

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スタミナが底を突いても小川はコートを突っ走った。第4クオーター(Q)残り3分。点差は絶望的だったが、ジャンプシュート2本、レイアップシュートを2本、ゴールを積み重ねた。チームでただ1人40分間フル出場を果たし、両チーム最多22得点を稼いだ。9リバウンド、2ブロックショットと攻守に全開の活躍。「今はめっちゃ、しんどいですけど、気力で体が勝手に動いた」と試合後笑顔を見せた。

小川に決まったポジションはない。状況に応じPGにもSGにもFにもなる。第1Qではリバウンドを奪い、ドリブルで持ち込み、ボールを浮かせるフローターシュートを決めた。リバウンドからの速攻は持ち味のひとつ。「外国人留学生がいるチームに通用するプレーを目指している」。フローターやジャンプシュートは、2メートル台の外国人選手に対抗するための武器だ。

新潟BBラビッツの監督を務める父忠晴さんは、会場を何度か訪れていた。小川は「対戦相手の特徴や個人的なアドバイスをもらった」と明かした。15歳で親元を離れ京都で暮らしているが、つらいと思ったことはない。「自分で選んだ道だから苦労もない」。鳥屋野中時代は全国中学大会で準優勝。洛南への入学は、日本一の喜びを味わうための選択だっただけに迷いはない。高校での全国初体験となった今年のウインターカップは3回戦で終わったが、小川はまだ2年生。「練習の積み重ねが試合に出る。練習から意識していきたい」。小川は「日本一」への夢に向かって突き進む。【涌井幹雄】