能代工の、令和初優勝での復活はならなかった。

試合開始から8連続失点し、第2Qでは14連続失点。最後までルーズボールを必死に追う伝統の姿勢を示した須藤陸主将(3年)は「全員で守って、リバウンドを取って素早く攻撃する自分たちのバスケが出来なかった。シュート確率なども修正出来ないまま終わってしまった」と不完全燃焼だった。

相手のゾーンディフェンスで、インサイドへの攻撃の俊敏性を止められた。チーム最多13得点7アシストの伊東翼(3年)も「攻撃の選択肢を見つけられなかった自分の責任。相手にもっとハーフシュートを打たせてリバウンドから速攻を出来る形が作れなかった」と反省。悔しさを糧に、大学進学後のBリーグ入りに挑む決意も明かした。

新チームでは3年生を中心に「コミュニケーション」をテーマに掲げてきた。練習だけでなく試合中も時間があれば全員で集まって意見交換。堅守速攻に加え、3点シュートなども含めた攻撃の幅も新たな形に加わった。小野秀二監督(61)も「さらに、ずぶとさ、ずる賢さが加わってくれれば」と次世代に期待。国内最多58冠を誇る古豪復活への手応えは得つつある。

【鎌田直秀】