「31点」はあまりにも重かった。2連覇を狙った明大は、後半に意地を見せて猛追したが、あと1歩及ばなかった。勝負が決まった瞬間、フッカー武井日向主将は青空を見上げた。「準備の差が出た。全ては、前半の大量失点からパニックとなったことが敗因」と唇をかんだ。

下馬評では明大が優勢だった。昨年12月の対抗戦では、早大に36-7で完勝したが、この日は王者らしからぬ展開だった。前半から攻守において相手から圧力を受け、0-31で折り返した。黄金期を築いた故北島忠治監督の遺訓「前へ」を早大に体現されているようだった。後半は王者としての意地を見せ、5トライを奪うなどして35点を奪ったが、前半の「31点」があまりにも大きかった。96年度大会で優勝した田中澄憲監督も「攻撃が遅かった。結果が全て。勝負の厳しさを突きつけられた」と必死に前を向いた。