世界のテニス界に衝撃が走った。男女共催の世界ツアー大会、BNPパリバ・オープン(米インディアンウエルズ)の主催者は8日、新型コロナウイルスの拡大を受け、専門家の意見も取り入れ「健康と安全が最重要。現時点での開催は、あまりにもリスクが高い」と、同時期での開催を中止すると発表した。

同大会は11日に開幕予定で、当初は、ボールボーイが手袋を着用するなどで、感染を予防する予定だった。主催者は「時期を代えて開催する準備はできている」とコメントした。日本選手では、18年にツアー初優勝を同大会で飾った世界10位の大坂なおみ(22=日清食品)、男子では同48位の西岡良仁(24)らが出場予定だった。

同大会は、4大大会に次ぐ規模で、男女ツアーの中核大会のひとつ。これまで、新型コロナウイルスの影響で、ツアー下部大会の中止はあったが、ツアー大会自体が中止されるのは初めて。それも、賞金総額1708万5360ドル(約18億8000万円)がぶっ飛んだ、このクラスの大会の中止は、影響が大きい。

24日からは同規模のマイアミオープンが予定されている。カリフォルニアとフロリダという違いはあるが、今回の大会中止の影響が及ぶかもしれない。東京オリンピックの出場権は、6月8日の世界ランキングで決まる。4月からは、最後の追い込みで、欧州のクレーコート・シーズンが始まる。5月24日開幕の4大大会、全仏(パリ)の開催にも注目が集まる。