講道館理事で全日本柔道連盟(全柔連)副会長などを歴任した松下三郎(まつした・さぶろう)さんが19日、新型コロナウイルスによる肺炎のため死去した。講道館が20日、発表した。84歳だった。

松下さんは13日に陽性が判明。15日に体調が悪化し、神奈川県内の病院に入院していた。

鹿児島県出身。日大時代は、64年東京五輪無差別級銀メダルで明大の神永昭夫のライバルとして知られ、全日本学生選手権を2度制すなど活躍した。引退後は、全柔連の初代広報委員長や専務理事、副会長を歴任。03年世界選手権大阪大会では、重症急性呼吸器症候群(SARS)対策特別委員会の委員長を務めた。日本オリンピック委員会(JOC)や講道館でも理事に就任し、近年は講道館柔道9段として指導にあたっていた。

講道館では2月27日から稽古を中止。職員は原則5月6日まで在宅勤務としている。講道館内に事務局を置く全柔連では、役員と職員合わせて計19人のクラスター(感染者集団)が起きている。