昨年の高校柔道女子団体で史上2校目の3冠(全国選手権、金鷲旗、全国総体)を達成した富士学苑(山梨)の田井知亜季(3年)が、今春から仙台大(宮城)の胴着に袖を通した。

兄の影響で柔道を始め、中学3年の関東大会で富士学苑関係者の目にとまり埼玉から進学。寮生活や稽古で心技体を高めてきた。早朝に新倉山浅間公園の忠霊塔を目指して約400段の階段を往復する苦しい練習などにも負けず、昨年は関東大会個人戦78キロ超級で3位入賞。金鷲旗のメンバーとして同校初優勝にも貢献した大器だ。

昨夏、仙台大の稽古に参加した際、現役時代に全日本選抜柔道体重別選手権で3連覇した南條和恵監督(47)から「一緒に日本一になろう」と声をかけられ、進学を決めた。「仙台大は日本一を目指している。日本一になるために自分が引っ張っていけるような選手になりたい」と高い志を持って稽古に打ち込む。

2月18日に行われた仙台カップ全国女子学生柔道団体対抗大会予選リーグの東女体大戦で大学デビューを果たしたが、緊張と大学生の貫禄に押され引き分けに終わった。目標にしていた6月の全日本学生柔道優勝大会は新型コロナウイルスの感染拡大により延期になったが、「同じ階級にいる先輩たちに勝って、自分がメンバー入りできるよう、(南條)先生に毎日アピールしていきたい」。強豪で鍛え上げた期待のルーキー魂で仙台大をけん引する。

◆田井知亜季(たい・ちあき)2001年(平13)9月7日生まれ、埼玉・狭山市出身。5歳で柔道を始め、狭山西中から富士学苑(山梨)に進学。個人戦では1、2年時にも全国高校総体出場。得意技は大外刈りと払い巻き込み。趣味は音楽鑑賞と歌うこと。好物はすし。169センチ。家族は母、姉、兄。