B1新潟アルビレックスBBは16日、アオーレ長岡の自主トレを報道陣に公開した。島根から移籍し、4季ぶりに新潟復帰のSG佐藤公威(36)も1時間ほど汗を流した。bjリーグ時代の05年に新潟でプロ入りしたのを皮切りに、2度の移籍を経て今回が3度目の新潟への“入団”。ベテランの域に達し、若手に背中を見せる立場を自覚して20-21年シーズンに臨む。

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佐藤は切れのあるステップからテンポ良くシュートを放った。サイドに走り込んでの3点シュート、ステップバックからの1本。「動きながらのシュートを意識している。それが試合につながるので」。午前10時から約1時間、さまざまなシチュエーションからシュートを放った。体育館での自主トレを始めたのは6月に入ってから。7月上旬には全体練習が始まる予定。すでに気持ちは10月開幕に向いている。

通算3度目の新潟入団。「少しずつ大人になっていると思う」と照れ笑い。05年、bjリーグ1期生として入団。相手守備にも気後れせずドライブを仕掛けてシュートを放つなど、ガムシャラさが持ち味だった。大分で中心選手になって3季プレーした後、11年に戻ってからは、活躍する自信があった。bjリーグ最終年(15-16年)とBリーグ開幕年(16-17年)は主将を務めるなど主力だった。そして、島根で17年から3季過ごして復帰。「普通にバスケができることに感謝している」と言う。

島根ではB2降格、B1再昇格を経験した。B1で戦い続ける難しさを実感した。3月に新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が中止。その後の自粛生活でバスケそのものができなくなった。「家に閉じこもっている間、自分にはバスケがなかったら何もないのがわかった」。当然のように体を動かせる日常のありがたさを感じた。その時期に新潟への移籍が決まった。

「新潟でバスケをしたくてもできない選手がたくさんいる。若手には先輩たちが築いた土台が新潟にあることを伝えたい」。プロ16年目のベテランは、今回の新潟がバスケ人生集大成と位置づける。「もちろん、ベンチに座っているつもりはない。試合に出るため、若手と同等に勝負する」。成熟したプレーを秋に披露することを約束した。【斎藤慎一郎】

○…佐藤は福田将吾監督(36)と2年間、島根でともに過ごした。監督は17~19年にアシスタントコーチ。「契約するとき、福田さんが監督とは知らなかった。後で聞いてびっくりした」と笑う。「当時からよくコミュニケーションを取っていた」と監督との再会を楽しみにしていた。

◆佐藤公威(さとう・きみたけ)1994年(平6)4月23日生まれ、長岡市出身。中越高では国体県選抜メンバー。新潟工短大に進みインカレ出場。05年、bjリーグドラフトで新潟に指名され入団。08年、bj大分に移籍し11年新潟復帰。17年、B1島根移籍。19-20年は34試合出場で1試合平均4・6得点。ポジションはSG。186センチ、87キロ。背番号23。