NBAウィザーズの八村塁(22)が3日(日本時間4日)、オンラインでの日米合同インタビューに応じ、今月末に再開されるシーズンに向けて意気込みを語った。来季の開幕時期などNBA全体のスケジュールが先送りとなる可能性も出ている中で、約1年後の東京オリンピック(五輪)出場にあらためて意欲を示した。

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黒いTシャツの袖からのぞく両腕は、以前よりもさらにたくましく見えた。3月から続いてきた長い中断期間。先行きが見通せない状況にあった時も、八村は目標を見失わなかった。高いモチベーションを保ち、黙々と肉体改造に励んできた。「以前から体を鍛える時期が欲しいと思っていた。時間を無駄にせずに使えた」。中断前に比べて「10ポンド(約4・5キロ)ぐらい増えた」という体重は、充電期間を経てパワーアップした数値だ。

米フロリダ州オーランドのディズニー・ワールド・リゾート内にあるスポーツ施設で、下位8チームをのぞく22チームによってシーズンが再開される。東カンファレンス9位のウィザーズは、プレーオフ出場可能な8位以内を目指して31日(日本時間8月1日)から8試合を戦う。八村は「プレーオフに行けるチャンスはある。ルーキーシーズンをしっかり終わらせて、次のステージに行きたい」。コロナ禍でプレーすることへの不安は「もちろんある」と認めながらも、「最初からプレーしたいと思っていた」ときっぱり。大黒柱ビールの出場が不確定という状況下にあって、首脳陣も日本人ルーキーに寄せる期待は大きい。

通常は10月に開幕するNBAだが、来季は後ろにずれこむ可能性が報じられている。来夏の東京五輪に影響が及ぶ懸念もあるが、母国開催の五輪出場をあきらめるつもりはない。「僕にとって夢であり、大きな目標。(NBAを含めた)日程がどうなるか分からないが、チャンスはあると思うし、日本代表として準備していかないと」。間近に迫ってきたリーグ戦再開へ、そして1年後の東京五輪へ向けて、八村が再び駆けだそうとしている。【奥岡幹浩】