今季限りでスーパーラグビー(SR)から除外となった日本チームのサンウルブズが8日、東京・秩父宮ラグビー場でメモリアルセレモニー(ファン感謝イベント)を開催した。

昨年のワールドカップ(W杯)日本大会代表のリーチ・マイケル主将(東芝)や田中史朗(キヤノン)稲垣啓太(パナソニック)ら18選手が参加。ステークホルダーやファウンダーズクラブ会員を観客席に招いての“お別れ会”となった。

今季は5度目の開幕戦(対レベルズ)で初勝利を挙げた。大久保直弥ヘッドコーチ(HC)は「昨年のW杯で日本がベスト8に残ったことも大きかったが、我々が準備したことを選手がリスペクトしてくれた。今年は新しくサンウルブズに参加してくれた選手が特に多かった中、率直に言い合いながらチームをつくってきました。僕もサンウルブズのファンは世界一だと思います。数えるほどしか勝てなかったですけど(通算9勝1分け58敗)勝てた時の、スタジアムとチームの一体感は一生、忘れない。ぜひ皆さんも忘れず、この思い出を大事にしてほしいなと思います」と話した。

沢木敬介コーチングコーディネーターも「開幕戦をターゲットにしてきましたが、ホームの声援と選手の力のおかげです。特にホームで試合した時に。なかなか結果が出ない時も温かい声援を送っていただいて励みになりました。本当に感謝しています。(ともに早大卒1年目の)SH斎藤(直人)やCTB中野(将伍)がSRを経験できたことも良かった。トレーニングスコッドで大学生も高いレベルを経験できたし、若手にとって、いい刺激になったと思う」と振り返った。

今後、大久保氏はヤマハ発動機のHCに、沢木氏はキヤノンの監督になる。大久保氏は「ヤマハとキヤノンで決勝を…(会場の参加選手を指さしながら)誰も聞いてないですけどね」と笑いつつ「日本のどのチームがSRに出ても勝てるようにするのが理想」と今後のチーム強化への覚悟を口にした。

沢木氏も「さっき(キヤノンSH)田中史朗が『練習が少なくて太った』とか話していたので、これからガンガン走らせます」と宣告。田中は大笑いした後に開き直り「本当に練習が甘いと思うんで、日本ラグビー発展のために頑張ります」と返して場内を盛り上げた。【木下淳】