白血病から復帰を目指す競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が、594日ぶりの復帰レースにエントリーしたことが11日、分かった。レースは29日に行われる東京都特別大会(東京辰巳国際水泳場)の女子50メートル自由形だ。

池江がレースに出場すれば、昨年2月に白血病を公表後初めて。同1月の三菱養和スプリント以来1年7カ月ぶりとなる。関係者は「現時点では出る方向でいます」と説明した。

池江は7月の練習公開で、当面の目標として10月の日本学生選手権(東京辰巳国際水泳場)の出場を掲げている。個人種目で出場するためには、大会前に一定の基準タイムをクリアする必要がある。そのために、西崎コーチと相談した上で、29日の50メートル自由形にエントリーした形だ。

同大会は、東京都水泳協会がコロナ禍で練習の成果を出す機会がなくなったスイマーたちのために計画したもの。同協会の北島康介会長(37)の「きちんとしたガイドラインで子どももシニアも安心できるようにしたい」という方針で、医療コンサルティングを行うキャピタルメディカ社の協力を受けて、大会開催における感染症対策のガイドラインも策定している。

池江は7月の公開練習時に「もしかしたら、もう元に戻れないかもしれないという気持ちもあるが、病気の人たちにここまで強くなれると知ってもらいたい」と話している。もちろん体調が最優先で、コロナ禍の状況は慎重に見極めていく構え。その上で池江がスタート台に立てば、594日ぶりになる。