2度の4大大会優勝を誇る世界ランキング9位の大坂なおみ(22=日清食品)が、5年連続で3回戦進出だ。同74位のカミラ・ジョルジ(イタリア)を相手に、1度も自分のサービスゲームを失わず、6-1、6-2の70分で快勝した。3回戦では同137位のコスチュク(ウクライナ)と対戦する。両者は初対戦。

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快勝後、大会から粋なサプライズがあった。センターコートの大型スクリーンに、自宅にいる母環(たまき)さんが登場。「びっくりした」が、環さんが拍手で勝利を祝うと大坂は日本語で「ちょっと恥ずかしい。大丈夫よ」。環さんが画面に映した絵文字に「最高、いい試合、よく寝てねとか、そんな感じだった」と、笑顔で答えた。

新型コロナウイルス感染対策で、会場に入ることのできる関係者の数が決まっている。選手以外に3人までで大坂はコーチ1人とトレーナーが2人。いつも会場でサポートする両親は、今回は自宅の米フロリダでリモート声援となった。

前哨戦の4試合を含み、復帰後、最高のプレーだった。「すべてが前向き。この2週間でのベストだった」。1回戦で51%だった第1サーブが入る確率も63%まで上げ、1度も自分のサービスゲームを落とさなかった。

前日に、西岡とマリーの男子シングルス2回戦を観戦した。「西岡は私の好きな選手の1人だし、とてもハードな戦いに刺激を受けた」。マッチポイントを握りながら西岡は惜敗。大坂は、西岡の分まで勝利へとひた走った。

前哨戦で痛めた左太ももには、1回戦では見られなかったテーピングが施されていた。「最善の状態ではない」とテレビの質問には答えたが、「予防ということにしておく」と会見では多くを語らなかった。試合での動きには、大きな影響はなかった。

第1シードのプリスコバが2回戦で敗退。記者からも「優勝する準備はできているか?」と問われたが「そういうことは考えない。自分に重圧をかけてしまう。1試合ごと」とあくまで慎重に、冷静に戦うことを誓った。

◆大坂の全米センターコート全成績

16年3回戦 ●1-2 キーズ(米国)

17年1回戦 ○2-0 ケルバー(ドイツ)

18年準々決勝 ○2-0 ツレンコ(ウクライナ)

18年準決勝 ○2-0 キーズ(米国)

18年決勝 ○2-0 S・ウィリアムズ(米国)

19年1回戦 ○2-1 ブリンコワ(ロシア)

19年2回戦 ○2-0 ガウフ(米国)

19年4回戦 ●0-2 ベンチッチ(スイス)

20年1回戦 ○2-1 土居美咲(ミキハウス)

20年2回戦 ○2-0 ジョルジ(イタリア)

◆WOWOW放送予定 4日午前7時50分から。同日午後11時55分から。ともにWOWOWライブ。男女シングルス2、3回戦ほか。生放送。WOWOWメンバーズオンデマンドでもライブ配信。