新型コロナウイルス感染拡大後、東京オリンピック(五輪)競技の屋内・対人種目では初の全日本級として開催されている大会の決勝が行われた。17~19日に行われた予選を勝ち抜いた男女6種目の計12人が日本一を争った。

第4試合は男子フルーレが行われ、日本代表の主軸2人が対戦した。松山恭助(23=JTB)と永野雄大(21=中大)。代表で主将を務める松山が15-4で4年ぶり2度目の優勝を果たした。

昨年は永野が松山らを破って初優勝しており、今大会は2連覇がかかっていた中、第1ラウンド(R)の3分間でいきなり大差がついた。攻めたのは松山だ。開始直後こそ2-2と探り合ったが、そこから4連続ポイントでリード。さらに7-4から怒濤(どとう)の8連続ポイントで15-4と圧倒し、第2Rの開始13秒という早い段階で雌雄が決した。

ガッツポーズと絶叫を繰り返し、永野相手に昨年のリベンジを遂げた松山は「まずは所属するJTBとスポンサーのアディダスの皆さんに心から感謝したい。実際、決勝を戦ってみて自分を楽しく表現する難しさはあったけど、いい技が要所で出た。永野選手は日ごろ練習している仲。やりづらさはあったけど相手の隙をうまく突けた」と試合を振り返った。

続けて「16年の全日本で優勝してから、なかなか勝てず、悔しい思いをしてきた。同じ思いをした仲間が今日、配信で見ていると思う」と、代表チームの西藤俊哉(長野クラブ)や敷根崇裕(ネクサス)らを意識して発言。「この優勝は自分にとってすごく大きなものだけど、今日の自分の姿を見たライバルが(追い上げて)来ると思うので、すぐ練習再開したいなと思います。今までの悔しい思いがあったから優勝できたと思っている。今後の大会は不透明だけど、次は世界が相手。永野選手とも東京五輪の金メダルに向けて力を合わせたい」と代表キャプテンらしく締めくくった。

ナショナルチームの先輩に2連覇を阻まれた永野は「シンプルに自分の実力不足。完敗でした。自分の攻撃が最初に少し決まったくらいだったので、また練習して挑戦したいなと思います」と潔く敗戦を受け入れた。【木下淳】