全国高校バスケットボール選手権(ウインター杯、23日開幕=東京体育館ほか)に3年連続3度目の出場をする男子の開志国際はスリーガード制を敷いて勝負する。元U-18日本代表のPGジョーンズ大翔(たいが=3年)に加え、県予選から主将の石原史隆(同)を先発PGに抜てき。SGに内田貴斗(2年)を配して、ハイテンポなバスケットをもくろむ1回戦(24日)の相手は専大付(東京)だ。

相手にマークを絞らせない。スリーガードを敷く開志国際の攻撃の起点は複数ある。プレッシャーの薄い位置からスピード感あふれる攻撃が始まる。地元胎内市で10月4日に開かれた交流会でウインター杯V2中の福岡第一に55-77で敗れたのをきっかけに先発ラインアップと戦術を変更した。控えだった主将の石原を、ジョーンズとのダブルPGの一角に据えた。新システムをウインター杯県予選で試運転し、手応えを得た。決勝はライバル・帝京長岡に84-53で大勝した。

「高い位置で(リバウンドのボールを)もらって、ブレークするのを心掛けている」と速攻を志向する石原がツイン司令塔の一角を担えばPGジョーンズの負担は軽減する。マークが分散すれば、それぞれの良さがゲームに出る。石原のスピード、ジョーンズの得点力だ。「石原がボールを持った方がゲームが速くなる」と言う富樫英樹監督(58)は「ジョーンズはチームが苦しい時、得点が欲しい時に点を取ってほしい」と話した。

2人のPGに明確な約束事はない。状況に応じて流動的に動き、そこにSG内田が絡む。ジョーンズが「1試合平均25得点したい」と言えば、石原は「自分が10~15点プラスすれば、その分負担は減る」。2人のPGはゲームの組み立てだけでなく、スコアもシェアするつもりだ。

組み合わせのブロックには大会4度Vの明成(宮城)、福岡第一など強豪がひしめく。そんな分厚い壁をガード陣がぶち抜く。3年生は開志国際が18年夏の全国高校総体で優勝した時の1年生。「優勝したい」と石原は、自分たちが冬の主役になる覚悟だった。【涌井幹雄】

◆ジョーンズ大翔(たいが)2002年(平14)8月14日生まれ、埼玉県出身。川口市・神根中卒。父はナイジェリア出身。バスケットボールは6歳から始める。中学時代は全国大会の経験なし。元U-18日本代表。183センチ、87キロ。

◆石原史隆(いしはら・しりゅう)2002年(平14)4月24日生まれ、岡山県出身。倉敷市・玉島北中卒。バスケットは幼稚園年長からSワラビーズで開始。中学3年の全中で8強。中学時代は都道府県対抗ジュニアバスケットの岡山県選抜。177センチ、63キロ。血液型A。