「愛ちゃん」が社長になった! 卓球女子元日本代表の福原愛氏(32)が10日、株式会社「omusubi」の新設を発表。スポーツ界に社会貢献活動で恩返しする所信表明を寄せた。

「皆さまご無沙汰しております。福原愛です。世界が大変な状況のなか、私事で恐縮ですがご報告がございます。このたび、卓球界やスポーツ界、これまで応援いただいた皆様に、社会貢献活動を通じて恩返しをするため、小学生時代の級友とともに株式会社omusubiを設立いたしました。社名であるomusubiは、『おむすび』『結び』から名付けました。アスリート時代、補食の定番だった母の握るおむすびは、食べると『よし、頑張るぞ!』というパワーが湧きました。派手な料理ではないけれど、いつも近くにあるおむすび。お米1粒1粒のように、大切な人とぎゅっと手を取り合って、転がりながら、まあるく大きく、心に寄り添い支えてくださる皆様とともに、実りある人生になるように」

1988年(昭63)11月1日に仙台市で生まれた。92年8月13日には母千代さんからラケットをプレゼントしてもらい、3歳9カ月で卓球人生がスタート。4歳で公式戦初出場し、94年には幼稚園生ながら全日本選手権バンビの部(小2以下)で史上最年少優勝を果たし「天才卓球少女」「泣き虫愛ちゃん」として愛され続けてきた。

「3歳から卓球を始めた今までの人生、すべてがつながっていると思っています。これまでの『結び』に感謝の気持ちを持ち、つながりやご縁を大切に少しでも皆様のお力になれるようこれから1歩ずつ前へ歩んでいきたいと思います」

12年ロンドン五輪で女子団体銀メダル。16年リオデジャネイロ五輪でも団体銅メダルを獲得した。16年9月には卓球台湾代表の江宏傑と結婚し、18年10月に引退。17年には長女、19年には長男が誕生した。

「私が競技の引退を決意した大きな理由として、これまでの経験をいかし、選手としてではない形で子供たちが夢へと向かう環境づくりのお手伝いやアスリートの後輩たちに未来への道筋を作りたい、世の中の役に立つ活動をしたい、そんな想いがありました。選手を離れてからのこの数年間は妊娠、出産、育児に追われ、日々をこなすことで精いっぱいでしたが、今は少しずつ慣れ、娘も私が卓球を始めた3歳になったこともあり、自分の未来、そして次世代の子供たちの未来を考える時間が多くなりました。同時に、腰が悪く車いす生活をしている母と暮らすようになり、卓球をすることが生きがいだった母が、今までのように卓球ができなくなり悲しんでいる姿を見て、ご年配の方々やハンディキャップを抱える方々にも年齢や体の不自由さに関係なく、楽しんでほしい、幸せを感じてほしい、そんな気持ちも強くなりました。このように世界が困難に直面している中、自分には何ができるのか、それは今なのか、とても悩みましたが、これまでの経験をいかし、選手ではない立場で皆様の心に寄り添えるようなボーダーレスな活動をしていきたいと思っています」

今後も卓球界にとどまらず、日本、世界のスポーツ界を盛り上げていく存在だ。さらに、指導者としても、未来のメダリスト育成に期待も高まる。

「長くなりましたが、現在は、具体的な活動に移れるように、ご協力いただく方々と準備を整えている段階です。社名の由来にもありますように、これまでの結びに感謝の気持ちを持ち、選手時代は結果として届けていた明るいニュースを、今後社会貢献活動として、心があたたかくなるようなニュースに変えてお届けできればと思っています。温かく見守っていただけますと幸いです。最後になりますが、1日も早いコロナウイルス感染症の終息を願いますとともに、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。どうぞご自愛ください」