バスケットボールBリーグの島田慎二チェアマン(50)が16日、オンライン会見に臨み、コロナ禍で最終的には開催中止が決まった男子アジア杯予選(カタール)において、選手派遣の決断に至った経緯や、混乱が生じていた選手選考などについて説明し、「クラブや選手がつらい思いをする状況にならないようにしてほしい」と理解を求めた。

日本協会副会長も兼ねる島田チェアマンはまず、コロナ禍での大会に日本協会が選手を派遣する方針に至った経緯について、国際連盟から出場が義務との通達を受けていたと説明。さらにBリーグ発足前の分裂期に受けた制裁が明確に解除されておらず、日本協会は現時点でも国際連盟の監視下に置かれている状態が続いていると前置きしたうえで、出場を拒んだ場合は「他国に比べて制裁を受けた場合のダメージが大きい」。

出場方針が確認された後は、コロナ禍での選手の安全性確保とリーグ戦における公平性を担保することを条件に各クラブと話し合ったが、調整は難航。島田チェアマンは「派遣を辞退する決断をした選手やクラブがいたことも事実」と明かした。

選手統一契約書には、代表選出時の合宿参加や試合参加について「履行義務」と明記されている。制裁を科すことも検討されたが、島田チェアマンは「大会の中止を受けて、制裁を下すとの決断には至らず、本件は終了することになった」とした。さらに今回はコロナ禍で特殊な条件にあることを踏まえ、「辞退の意思表示をした選手を責めるべきではないし、責められる状況ではなかった」と強調した。

会見の場に協会トップの三屋裕子会長の姿はなく、島田氏が登壇したことについては、自身が協会副会長とBリーグチェアマンという両方の立場で意思決定に深く関与してきたことを理由とした。東京オリンピック(五輪)パラリンピック組織委の森喜朗会長による女性蔑視発言以降、意見表明などが一切ない三屋会長の様子について質問が及ぶと、「元気です」と述べた。