18年ピョンチャン・オリンピック(平昌五輪)女子4人制銅メダリストで、北京五輪では混合ダブルスでの出場も目指す藤沢五月(29=ロコ・ソラーレ)が、日本代表の権利がかかる大会にスカートタイプのユニホームで登場した。テニスウエア風の赤いスコートに黒のセーターを組み合わせた装いで山口剛史(SC軽井沢ク)とペアを組み、チーム北村との初戦を9-1で完勝。プレーでもファッションでも注目を集め、五輪への道を切り開く。

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真新しい“勝負服”に身を包んだ藤沢がストーンを投じると、赤いスコートがひらりと揺れた。

山口とのペアで2年ぶり3度目の優勝を目指す大会初戦は、序盤から相手を圧倒。第1エンドでいきなり大量3点を挙げると、その後も着々とリードを広げた。コロナ禍で無観客開催となったが、インターネット中継で観戦するファンの視線を、プレーとファッションでくぎ付けにした。

カーリングでは異例といえるスカートタイプのユニホーム。午前の公式練習後に藤沢は、「昔の写真では女性選手はスカートをはいていたし、上もセーターが一般的だった。チャンスがあれば着たいねと話していた」と説明。背中に選手名が入った部分はパートナーと色違いになっていることもアピールし、「このユニホームに負けないプレーを」と意気込んだ。

同様のウエアはテニスやゴルフでよく見かけ、バレーボールVリーグ1部の姫路も今季から導入。デザイン性に加え、動きやすさをメリットに挙げる声もあった。実戦でのお披露目を終えた後の藤沢も、「ストレッチがあって動きやすい。はいている感じがしない…という言い方がいいのかわからないけれど、調子は良い」と笑顔。カーリング界の第一人者は、ファッションリーダーとしても話題を届けていく。

混合ダブルスが初採用された平昌五輪では、日本は出場枠を獲得できなかった。藤沢・山口組が北京五輪に出場するには、今大会優勝が必須条件。まずは1次リーグ突破、そして28日の決勝を目指す。

○…前年優勝の松村・谷田組が大勝発進。東北ブロック代表のチーム田中・今組に序盤から得点を重ね、10-2と圧倒した。谷田は「初戦を勝ててほっとしている」と安堵(あんど)の表情を浮かべ、松村は「いい滑り出しができた。(石や氷の)曲がりや滑りの情報をうまく共有できた」と振り返った。連覇を果たせば、北京五輪代表となる権利を手にする。

◆北京五輪への道 前年優勝の松村・谷田組が連覇を果たせば、北京五輪日本代表となる権利を獲得。世界選手権(4月24日~5月1日、開催地未定)で五輪出場枠(中国をのぞく上位7位以内)を目指すことになる。前年優勝以外のペアが今大会を制し、世界選手権で五輪出場枠を得た場合は、あらためて日本代表決定戦が行われる。