日本のエース、錦織圭(31=日清食品)が19年ウィンブルドン以来のツアー公式戦ベスト8に進出だ。

1回戦で155日ぶりの勝利を挙げたのに続き、世界ランキング23位のデミノー(オーストラリア)に6-3、2-6、7-5のフルセットで勝ち8強に進出。「うれしい。ちゃんと試合ができるようになってきた」と喜びを隠せない。準々決勝では同27位のラヨビッチ(セルビア)-同26位のチョリッチ(クロアチア)の勝者と対戦する。

復活の手応えが、確信に変わってきた。「(戻ってきたのは)確信的な感じ」。この2試合で「ボールの感覚がないというのはなくなった」と、打球感もバッチリで、バウンドが止まるコートで、いつにも増して縦回転をかけ、粘る相手を突き放した。

相手は、19年全米3回戦で敗れ、その後に右ひじの手術のきっかけとなった。デミノー戦で直接のけがをしたわけではなかったが、手術を決断する試合となった。嫌な思い出も、この日のリベンジでしっかりと帳消しだ。

1回戦は20歳の強打の新星、この日は22歳の全くミスをしない若手と、男子テニスが期待する次世代のスター候補を退けた。「もう少しメンタルが染みついてくれば、トップ10に入れる」。高らかに、トップ10への復帰を宣言だ。

順当なら次戦で対戦するはずだった全豪準優勝で、同3位のメドベージェフ(ロシア)が敗れた。もちろん、ラヨビッチもチョリッチも強敵だが、しっかりと錦織の前に視界は開けている。

◆ABN・AMROワールドは、3月1~7日、WOWOWオンデマンドで配信予定。