日本男子史上初のジュニア世界1位となった望月慎太郎(Team YUKA)が、島袋将(23)と組んだダブルスで代表デビュー。4-6、6-4、6-2で逆転勝ちし、日本は5日のシングルス2勝を含めた3連勝でパキスタンを下した。望月の17歳9カ月4日は、錦織圭の持つ18歳3カ月13日のデ杯日本代表最年少出場と最年少勝利の記録を塗り替えた。

   ◇   ◇   ◇

日本期待の新星が、錦織を超えた。望月は、岩渕聡代表監督が「とてもジュニアとは思えない」という強心臓で、代表デビューの重圧を跳ね返した。本人は「少し緊張した」とは言うが、勝利に「1番は楽しめたかな」と豪語。笑みがはじけた。

相手のクレシは10年全米でダブルス準優勝。ダブルス世界8位になった強豪だ。また相手のペアはデ杯32試合目の出場で、今対戦の芝コートでは1敗しかしていない。それでも望月は「年齢は関係ない。全力で立ち向かった」と、のびのびと戦った。

19年に日本男子として初めて優勝したジュニアのウィンブルドンも芝だった。「好きなコート。フレッシュな気持ちでできた」。第1セットの第8ゲームで、自らのサービスゲームを落とし逆転を許したが、最後は自身のサーブでしっかりと勝利をたぐり寄せた。

今対戦はランク下が相手とはいえ、綿貫陽介を除いた4人が初代表とフレッシュな布陣だった。その中でも17歳とダントツに若い望月だが、岩渕監督は「本当に度胸がある」と絶賛。錦織と同じフロリダのIMGアカデミーで腕を磨く望月の活躍に期待を込めた。

▽デビス杯日本男子年齢別出場記録トップ5

(1)17歳9カ月4日 複 望月慎太郎 21年ワールドグループ1部対パキスタン

(2)18歳3カ月13日 単 錦織圭 08年アジアオセアニアゾーン1部対インド

(3)18歳3カ月25日 単 谷沢英彦 90年アジアオセアニアゾーン対インド

(4)18歳4カ月14日 複 鈴木貴男 95年アジアオセアニアゾーン1部対フィリピン

(5)18歳4カ月21日 単 杉田祐一 07年アジアオセアニアゾーン1部対中国

◆望月慎太郎(もちづき・しんたろう)2003年(平15)6月2日、神奈川県川崎市生まれ。3歳でテニスを始め、錦織圭同様に、日本テニス協会の盛田正明名誉顧問が設立した基金の援助を受け13歳で米フロリダにあるIMGアカデミーに留学。19年に日本男子として初めてウィンブルドン・ジュニアに優勝し、ジュニア世界1位に輝いた。178センチ、69キロ。