B1新潟アルビレックスBBは12日、SR渋谷戦(20、21日、アオーレ長岡)に向けた練習をアオーレ長岡で行った。福島市出身のPG水野幹太(22=法大4年)が、前日11日に東日本大震災から10年を迎えたことを機に、プロとして故郷に貢献することを誓った。

「忘れてはいけない日」。水野は神妙な面持ちで震災から10年を受け止めた。オフが明けた11日からSR渋谷戦への調整が始まった。練習終了後に震災発生時刻の午後2時46分を迎えた。「当時は小学6年生。卒業式の予行演習中でした」。福島市内の自宅は震度5強の揺れに遭い、食器棚から落ちた皿などがすべて割れた。避難の必要はなかったが、1週間ほど停電した。水道も止まり、近所の井戸水を使わせてもらった。

少年時代に経験した不安な日々の記憶ははっきりと残っている。「自分はバスケができているけど、今も仮設住宅に住んでいる人たちがいる」。昨年12月に新潟とプロ契約。「福島でバスケをやっている子どもたちの手本になりたい。バスケで勇気づけられるような存在にならないと」。法大在学中に目標のBリーガーになり、あらためて思った。

ここまで11試合出場で1試合平均の出場時間は3分半ほど。「やるべきことをやって出場機会を勝ち取る」。誓いを新たにプロ1年目のシーズンに臨む。