新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2年ぶりに無観客で開催された。大会規模も縮小して、個人戦のみを実施。例年とは異なる高校日本一を決める祭典が静かに幕を開けた。

4カ月後に迫る東京五輪仕様に改修された日本武道館で、全国から集まった高校生たちがしのぎを削った。この日は女子5階級が行われ、審判の判定の声と関係者の拍手音だけが響く会場で淡々と試合が進んだ。

表彰式は、感染防止のため優勝者5人のみの異例の対応。全日本柔道連盟の山下泰裕会長らから表彰され、関係者から小さな拍手が送られた。柔道恒例である優勝者は表彰式後、賞状やトロフィーなどを持って畳上で恩師らと記念撮影するのがお決まりだが、それすらなかった。厳しい行動制限が徹底され、準優勝以下の入賞選手たちはそそくさと荷物をまとめて会場を後にした。

準優勝ですら表彰式に参加できない大舞台。コロナ禍ならではの異様な光景が、武道の聖地で広がっていた。

最終日の20日は男子5階級が実施される。