雷で延期となっていた一戦で、レッドカンファレンスのサントリーが東芝に73-5で圧勝し、開幕4連勝で首位を守った。
ともに東京都府中市に練習拠点を置く「府中ダービ-」。今季加入のニュージーランド代表SOボーデン・バレット(29)がキックで流れを作り、自身も24得点を挙げた。当該対戦のリーグ戦では73得点、68得点差は、ともに過去最大となった。
◇ ◇ ◇
試合開始前、観客席でこんな声が聞こえた。「これだけでも、来た価値あるよな」。目の前ではバレットがキック練習を繰り返していた。回転の種類も豊富、何より離れた受け手に正確にボールが届く。美しい軌道が青空に映えた。
キックオフ約1時間前に誰より早くグラウンドに姿を見せた。雷で中止となった13日の試合でも、雨中で同様にキックを確認していた。「自分の中でリズム、フローを作り上げています」。チーム練習前に時間をつくり、風など天候も感じ、体を温め、万全を期す。17、18年に世界最優秀選手に輝いた男は、地道な積み重ねを欠いていなかった。
確認したそのキックで、主導権を握った。前に早い東芝の守備網を崩すため、開始から多彩に裏へボールを蹴り分けた。敵のいないスペースへ巧みに落とし、他の14人が一斉にプレッシャーをかけた。ミスが重なった相手を尻目に、PGで効果的に先手を奪った。
10本のゴール成功で、後半26分に退くまで24得点を稼いだ。「サントリーでプレーしていることにも楽しんでプレーできている。また来週のトヨタ戦も、自分たちのプレー信じてやる。自分で付加価値を与えられることあればやりたい」。試合前のその姿も、大きな付加価値に違いない。【阿部健吾】


