大坂がついに負けた。

世界2位の大坂なおみ(23=日清食品)は、同25位のマリア・サカリ(ギリシャ)に0-6、4-6の69分でストレート負け。2度の試合前棄権はあるが、試合をして敗れたのは、20年2月の女子国別対抗戦フェド杯でソリベストルモ(スペイン)に負けて以来で、昨年8月の全米前哨戦から続いていた連勝は23で止まった。次戦からクレー(赤土)シーズンに入り、29日開幕予定のマドリードオープンに出場予定だ。

全く気持ちが乗らなかった。大坂が久しぶりに見せた悪癖だった。調子が悪いだけで、球を追うことに嫌気がさす。「何とかしようとしたけどだめだった。こんな負け方をしたくはないけど、まだあるかもしれない」。

大坂は、第1セットの第1ゲームで、自分のサービスゲームを40-0リードから落として歯車が狂った。第1サーブが35%しか入らなかった。「突然、入らなくなった」。第1セット、奪った得点はわずかに8点で1ゲームも奪えず。第2セットは4-1とリードするが、そこから5ゲームを連続で落とし力尽きた。

今大会で世界1位奪回のチャンスもあったが、それもなくなった。「最初は気にも留めなかったが、質問されるようになり、考えすぎたかも」と、女王への返り咲きがちょっとしたプレッシャーになったことも認めた。

今大会、決して絶好調というわけではなかった。「今大会通じて、うまくプレーできなかった。あまりコートに対応できなかった」。球がバウンドして止まるような遅いコートで、飛んでくるのを待ち切れない。自分が打ったショットは返球される確率も高く、海風の対応も求められ、なかなか乗り切れなかったようだ。