ハイランダーズで先発した19年W杯日本代表NO8姫野和樹(26)が、珍しい体験を振り返った。

後半23分までプレー。試合は23-23で「ゴールデンポイント方式」の延長戦(10分間)に突入した。DG、PG、トライのいずれかで、先に得点したチームが勝利。ラグビーは延長戦を採用せずに「引き分け」とすることが多いため、姫野は新鮮な心境を明かした。

「『(得点が味方に)入れ~!』っていう気持ちと『(相手に)入るな~!』っていう気持ちの2択ですね。(仲間に)『ノーペナルティー!』ばっか言っていました。なかなかない経験。ああいう状況で、ああいう風に負けると、さらに悔しい思いが強いですね」

NZ代表として豊富な経験を持つ相手FBダミアン・マッケンジー(25)の“サヨナラPG”に悔しさをにじませた。

12日に21年度の日本代表候補選手が発表される予定。新型コロナウイルスの影響で、代表活動は19年W杯日本大会以来となる。姫野は率直な思いを口にした。

「代表活動からだいぶ離れている。他の国はシックスネーションズ(欧州6カ国対抗)だったり、オーストラリア、NZも(代表活動を)やっていますし、若干、焦る部分があります。ただ、トップリーグを見ていても、本当にレベルが高いし、いい選手もたくさんいる。焦らずにやれればいい。また選ばれれば代表合宿や(6月にブリティッシュ&アイリッシュ)ライオンズ戦もありますし、そこに向けてやっていきたい。まずはNZで結果を残すのが大事。自分の足元を見て頑張りたいです」

次節は16日、本拠地ダニーディンでブルーズと戦う。1つ1つの経験を、次に生かす。【松本航】