はかなく、切なく、大人びた恋愛-。

フィギュアスケート男子の島田高志郎(19=木下グループ)は、22年北京五輪シーズンとなる来季の新ショートプログラム(SP)に、そんな曲を選んだ。

24日、木下アカデミー京都アイスアリーナで行われたアイスショー「ブルーム・オン・アイス」。そこで新SP「ギビング・アップ」を初披露した。冒頭のジャンプ転倒から始まった演技を「久々のアイスショー。すっごく緊張した。すごく痛そうな、こけ方で申し訳ない」と苦笑いしながら、米国の歌手ダニー・ハサウェイさんの曲に込める思いを明かした。

「失恋の歌なので、すごくはかない、切ない、ちょっと大人びた恋愛を表現したい気持ちで滑りました。ステップの盛り上がりだったり、この曲で滑りたいという思いが強かったです」

拠点は宇野昌磨(23=トヨタ自動車)らと同じスイス。20年12月の全日本選手権後にスイスへ戻り、そこでコーチでもあるステファン・ランビエル氏が振り付けした。新フリーも同じランビエル氏が手がけた、チャプリンの曲になるという。アイスショーに向けて4月初旬に帰国。ショーで新プログラムをなじませて、再びスイスに戻る予定だ。

7月から始まる来季は、22年北京五輪シーズンとなる。

「本当に、今は4回転が3本では足りない時代。自分も練習で、4回転の成功率が徐々に上がっている。あとは試合で決めること。五輪シーズンを強い気持ちで戦い抜いて、そこから得られる経験値を今後さらに、つなげていきたいです」

18年ジュニアグランプリ(GP)ファイナルで3位に入った19歳は、シニアとして初めての五輪シーズンを迎える。この春を充実したものにする。【松本航】