五輪代表に内定している荒井祭里(20=JSS宝塚)が、美しい入水で銀メダルを獲得した。準決勝を5位通過。難易度よりも完成度で勝負して、決勝で342・00点を記録。W杯の個人種目での表彰台は、04年宮崎多紀理以来17年ぶり3人目、銀メダルは日本人初となった。今大会の同種目は中国勢が出場しておらず、スコアは19年世界選手権7位相当。さらなる成長と五輪メダルを目標に掲げた。

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荒井が、2年に1度のW杯で日本人初の銀メダルを獲得した。技の難易度は高くないが、自慢のノースプラッシュで得点を稼ぐ。5本すべて65点以上でまとめた。馬淵コーチに抱き締められて「メダルが目標だったので本当にうれしい」。

世界トップは高難度技をそろえるが、荒井の戦略は逆だ。「何度か難易度を上げたり下げたりした。でも高難度は海外勢でもリスクが高い。簡単でもしっかりきれいにまとめる」ときっぱり。馬淵コーチも「感無量。感動的な入水をやればメダルにも届く。五輪もこのままでいく」とした。

19年世界選手権でも美しい入水で9位に入って、五輪内定を得た。ただ今大会は同選手権1~3位の選手が不出場でスコアも7位相当とさらなる向上が必要になる。20歳は「五輪は(強豪)中国選手も来る。百発百中の入水と言われるように。目標はメダルを獲得することです」と宣言した。【益田一弘】