4強入りへ、チームの総合力が問われる。

ラグビーのトップリーグ(TL)神戸製鋼は9日、静岡・エコパスタジアムでクボタとのプレーオフトーナメント準々決勝に臨む。7日にはメンバーが発表され、19年W杯日本代表CTBラファエレ・ティモシー(29)は19年の神戸製鋼移籍後初となるインサイドCTB(12番)で先発する。

「やることはアウトサイドとそこまで変わらない。フィジカルの戦いに勝つ。12番からディフェンスラインで、しっかりと前に出たい」

対面は15年W杯日本代表CTB立川理道(31)。ラファエレは普段通りの冷静な口調でテーマを掲げた。

前戦の4月24日三菱重工相模原戦で12番を担ったリチャード・バックマン(31)、今季8戦中5戦で12番を背負ったWTBアタアタ・モエアキオラ(25)が負傷。モエアキオラはクボタ戦の控えに名を連ねたが、首脳陣が選んだ12番は万能BKのラファエレだった。日本代表やスーパーラグビー「サンウルブズ」で経験があるが、神戸製鋼移籍後は初めての位置。4日の練習から取り組み始めたという。13番のアウトサイドCTBで先発する、元ニュージーランド代表の万能BKベン・スミスとのコンビで打開を図る。

4月30日には古巣であるコカ・コーラの21年限りの廃部が発表された。山梨学院大を経て、社会人としてのキャリアを歩み始めたのがコカ・コーラだった。14年から5年間、在籍した。

「少し残念な気持ちがあります。コーラでプレーしていた選手たちの将来が心配。プロ選手として最初のチャンスをくれたチーム。非常に感謝しているチームです」

そう心を痛めながらも「今週、やるべきことに集中しています」と言い切った。エコパは19年W杯でアイルランドから歴史的勝利を挙げた地。今度は神戸製鋼を4強に導く。【松本航】