NTTドコモ(ホワイトカンファレンス3位)が4点差で初のベスト4を逃した。

トヨタ自動車ゴールは目前だった。ロスタイムに入り、ペレナラと交代したSH浜野のパスを受け、フランカー佐藤が突進する。しかし、ジャッカルに捕まった。時計表示82分41秒。4点差逆転のトライを狙うNTTドコモが、ベンチ入り23人総動員の猛攻が止まった。

たった4点差だ。FWはコンタクト負けせず、33歳のCTBパエア、司令塔ペレナラの奮闘もあった。最大8点をリードして強豪を追い詰めた。だから悔しい。ヨハン・アッカーマンヘッドコーチ(HC)は「こういうゲームは小さなミスから差がつく。いくらでも勝つチャンスがあっただけに、心が痛む」とうなだれた。ペレナラは隙を突かれて許した後半1分、同22分のトライについて「緩いトライというか…相手の得意な形でスコアを許した。でも、それも決定的な敗因かどうかはわからない」とこぼした。

93年にNTT関西として創設。チーム名のレッドハリケーンズには「ラグビー界の台風の目に」という思いが込められる。原動力だったペレナラ、南アフリカ代表WTBマピンピは1年契約で、来季去就は不透明。アッカーマンHCも「来季は選手も入れ替わる」と出直しを口にした。それでも、入団4年目のエラスマス主将は「文化が変わった。戦う集団になった」と言う。赤い台風は来季も止まらない。