米バスケットボール、NBAラプターズの渡辺雄太(26)が18日、オンライン会見に応じ、今季について「中身の濃いシーズンだった」と総括した。チームは東地区12位で全日程を終えた。

新チームで迎えたNBA3年目は、自身にとって飛躍のシーズンとなった。出場数は50試合と大幅に増え、1試合平均4・4得点、3・2リバウンドを記録。数字に表れない守備での貢献も光った。もう1つの持ち味である外角シュートは成功率4割と高い数字をマークした。

渡辺 常にスリーポイントの練習を続けたことが大きかった。大学時代やGリーグでも、シーズン通しての40パーセントはなかったと思う。ただ、それでも確率が下がった時期があった。今季の試投数は90本。来季はもっとその数を増やして、高い確率も目指していきたい。

昨季にグリズリーズとの契約を終えた時点では、次の所属先がない状態。コロナ禍で今後が見通せない状態でも、モチベーションを保ち続けた。ラプターズとエグジビット10契約を交わしてキャンプに参加。プレシーズンゲーム(オープン戦)でのアピールを経て、開幕前にツーウエー契約を結び直した。シーズンに入るとさらに成長した姿を示し、4月にNBAで常時プレーできる本契約に昇格。プロとして結果を出し続け、階段を駆け上がった。

渡辺 (シーズン全日程を終えて)きのう、1日ぼーっと今季のことを振り返っていたら、いつのまにか夜になっていた。11月末のLAでのミニキャンプから始まり、トレーニングキャンプでいい時間を過ごしてツーウエーに結びつけ、最終的に本契約をもらって。6カ月ぐらいの短いシーズンで、いろんな動きがあった。

さまざまなことを経験した1年で、最も感じ取っているのは自らの成長だ。

渡辺 一番成長できたシーズンだと思っている。メンタル的にも、プレーヤーとしても、技術的にも成長できた。もっと勝ちたかったという思いはあるが、収穫の大きかったシーズンだと思っている。

ドラフト1巡目指名を受けて華々しくNBA入りした八村塁の存在に隠れがちだが、ドラフト外からNBAへの道をこじ開け、結果を積み重ね、ついに本契約を勝ち取った渡辺がたどった足跡も、大きな意義がある。

この夏には東京オリンピック(五輪)代表として、日の丸を胸に世界と戦う。シーズン最終盤は右足首痛の影響で欠場したが、幸いにして軽傷のようだ。

渡辺 足首はそんなに心配するほどの状態ではなく、少し休めば痛みは引くかなと思っている。帰国のタイミングは未定で、NBAのルールもあって、代表合流は日本にいる選手たちよりも少し遅れることになるが、日本代表のスタッフたちと話をしていきたい。

まずは英気を養い、さらなる戦いに向けて準備を整える。【奥岡幹浩】