飛龍が浜松市立を2-0で破り、3年ぶりの頂点に立った。先月下旬に27連覇を決めた男子に続く優勝で、アベックVを達成。主将の山本麻央内野手(3年)は「めちゃくちゃうれしい」と、声を弾ませた。梅雨晴れの青空の下、ナインの笑顔が広がった。

先発の栗原ななみ投手(3年)が、6安打完封の好投で立役者となった。6回に2死満塁、最終7回にも2死一、二塁のピンチを背負ったが、「絶対に守らないといけない」と自らに気合を注入。6回は二ゴロ、7回は右邪飛と要所を締め、反撃を断った。準々決勝、準決勝も完投した右腕は「精神的にきつかった」と、安堵(あんど)の表情。大一番でも135球の熱投でリードを守り切った。

準々決勝が転機だった。昨年10月と今年4月、今季県大会で2度、同じ準々決勝で敗れてきた加藤学園に2-1で雪辱。山本主将は「チームとして自信になった」と振り返った。沼津市内で学校が隣同士の因縁の相手を下し、勢いは加速。頂点まで駆け上がった。

全国総体は、7月28日に福井県で開幕する。杉山浩之監督(38)は「投手力を上げて、まだエラーの多い野手陣の精度も高めたい」と課題を挙げた。県制覇に浮かれず、大舞台に向けて進化する。【前田和哉】

○…浜松市立は2連覇を逃した。2点を追う終盤、何度も得点圏に走者を進めたが、あと1本が出なかった。7回裏2死一、二塁の好機で右邪飛に倒れ、最後の打者となった斎藤朝菜主将(3年)は「みんながつないでくれたのに悔しい…」と唇をかんだ。全国総体には届かなかったが、19日に現チームでの最後の公式戦となる東海総体が控える。斎藤は「力を出し切って終わりたい」と顔を上げた。