フライ級決勝で佐野太紀(新潟南3年)が寺島泰貴(開志学園2年)に4-1で判定勝ちし初優勝。全国高校総体(インターハイ=8月7~13日、福井県営体育館)出場を決めた。1月の全国選抜大会県予選ではライト級だったが、今大会から2階級下のフライ級に転向。減量に苦しみながらも初の全国切符を手にした。

リング上で判定勝ちのコールを聞いた瞬間、佐野は右手を強く握りしめた。右のリードと左ストレート。接近戦では細かいフック。力強い試合ぶりで判定をものにした。

「思ったよりスタミナはあった」。1月はフライ級より2階級上のライト級で全国選抜大会県予選に出場した。ライト級は60キロ以下でフライ級は52キロ以下。この5カ月で8キロの体重差を経験。当然、今大会前は減量に苦しんだ。大会2週間前から昼食は野菜スープのみ。OBがミット打ちの相手をするなど猛練習で汗を出した。

県総体は「ラストチャンスだった」(佐野)。本来はバンタム級だが、同僚の細川古了(新潟南3年)がいるため1月は階級を上げた。4月の春季大会はそのバンタム級で出場も、フライ級で全国選抜大会出場の井上偉心(開志学園3年)が転向してきた。井上が去ったフライ級に下げて勝負に出た。さまざまな現実を乗り越えてつかんだ全国初舞台。「ほっとしました」と笑みがこぼれた。【斎藤慎一郎】

<バンタム級は井上偉心が全国出場>

バンタム級は井上が細川に5-0で判定勝ちし、全国選抜大会フライ級に続き2階級で全国出場を決めた。「相手が出てくるのは分かっていた」と試合開始から果敢に打ち合い、手数とクリーンヒットで圧倒した。全国選抜は初戦敗退。「もう優勝しか考えていない」とインターハイでの全国制覇を誓った。