バスケットボール男子は白樺学園が決勝リーグ3戦全勝で、11年以来10年ぶり2度目の優勝を飾った。2勝同士の対決となった最後の駒大苫小牧戦は残り4・2秒で逆転。昨年のウインターカップ道予選最終戦で敗れた相手にリベンジした。優勝の白樺学園と準優勝の駒大苫小牧は全国大会出場が決定。

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執念でひっくり返した。83-84の第4クオーター残り4・2秒。寒川敬太主将(3年)は一瞬のスキを逃さなかった。「長谷(匡悟、2年)が動いてDFがサイドにつられたのが見えた」。すかさずゴール下に流れてきた山田哲汰(2年)にパス。山田は、駒大苫小牧の205センチのセネガル人留学生、ティオウネ・ババカル(2年)と競りながら、シュートをねじ込んだ。

5月の全十勝春季大会で亜脱臼していた山田は、左肩をサポーターで固定しながら決勝点。「痛みはあったが、最後は絶対に決めるという思いだった」。昨年のウインターカップ道予選は決勝リーグ初日の初戦で東海大札幌を下すも、2日目に2連敗。最後は、駒大苫小牧に敗れ全国切符を逃した。「筋力不足で初戦の競り合いでの疲労が残り、2日目は思うように動けなかった」。例年週1回だった冬場の筋力トレを2回に増やし、体重も2キロ増。サイズアップした体で雪辱につなげた。チームとしてもティオウネを2人がかりでブロックするなど、徹底した対策で封じた。

ある選手の訪問も刺激になった。20-21年シーズンまでレバンガ北海道に8季在籍した帯広市出身の多嶋朝飛(32=茨城)が5月上旬、社会人チームにまじり白樺学園との練習試合に参加。寒川は「視野が広くプレーの参考になった」と、土壇場でのキラーパスを生むきっかけになった。

高校総体2度、ウインターカップで1度、全国出場も未勝利。宮下真和コーチ(42)は「高さがない分、もっと足を使わないと勝てない」。夏の大舞台までに進化を図り、まずは1勝を目指す。【永野高輔】