フルセットで難敵を退けた。2大会ぶり10度目出場の仙台商(宮城)が2回戦で、埼玉栄に2-1で粘り勝ちした。192センチの山元快太(はやと)主将(3年)が34得点をマーク。名実ともにチームの「大黒柱」が16強入りに導いた。3日の予選グループを突破した東北勢の弘前工(青森)、一関修紅(岩手)、郡山北工(福島)は敗退した。

絶対エースがチームを勝利に導いた。第3セット(S)序盤にスパイクを決め「しゃあ!」と声を上げた。自らを奮い立たせ、バックアタックなど、多彩な攻撃で優位に試合を展開した。24-19のマッチポイントは「絶対に決めてやる」と高い打点からスパイクを相手コートに突き刺し、6月の関東大会準Vの実力校を下した。同Sは「サーブやスパイクで全部自分が決めるんだ、他の選手ではなく自分がこのチームを勝たせるんだという気持ちで打った」と闘志あふれるプレーで戦い抜いた。

期待と託された思いに応える。1月の全日本高校選手権(春の高校バレー)は背番号「4」をつけ、得点源として8強に貢献。大会後に鈴木晴之前主将から「チームを引っ張っていけ」と思いを託され、率先してチームを引っ張らなければいけないという“自覚”が芽生えた。千葉伸次監督(55)は「(主将は山元)本人から僕がやりますと。私はいつも特別に指名したりすることもないので」と意思を尊重。今大会は「1」の下に主将を意味する横線が入ったユニホームで挑んだ。

2年ぶり開催の全国舞台。目標は日本一だ。山元は「去年は日本一を目指して結果が出なかったので、今年こそという気持ちはある」と語気を強めた。5日は、川内商工(鹿児島)との3回戦に勝利すれば、準々決勝とのダブルヘッダーになる。責任感の強いエースを軸に、少しでも長い夏にする。【相沢孔志】