フィギュアスケート男子で昨季世界選手権2位の鍵山優真(18=星槎国際高横浜)が12日、今季初戦で課題を痛感した。

地方競技会「げんさんサマーカップ」(滋賀県立アイスアリーナ)のフリーで150・14点を記録。ショートプログラム(SP)と合計222・55点で、友野一希(セントラルスポーツ)に次ぐ2位だった。新フリー「グラディエーター」を初披露したが、ジャンプのミスを重ねた。22年北京五輪出場、メダル獲得へ教訓を生かす。

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五輪シーズンの幕開けは苦い表情だった。鍵山は金の装飾を施した黒の衣装で、米映画の名作「グラディエーター」を演じた。「まだまだ練習不足。もっと体力をつけないといけない」。前半の4回転-3回転の連続トーループでは3・33点の加点がついたが、後半の4回転トーループは空中で抜けた。トリプルアクセル(3回転半)などミスが目立ち「悔しい思いがこみ上げている」と明かした。

シニア2年目で迎える北京五輪シーズン。昨季は世界選手権2位と躍進し、国際大会で存在感が光った。名振付師のローリー・ニコルさんとは「力強く戦う。戦っているだけでなく、人の思い、優しさ、切なさの感情も含む。強弱をつけて演技しよう」と新演目のイメージを共有。11月にはグランプリ(GP)シリーズ中国杯、フランス杯へ出場を予定する。「ジャンプは技術的なところもあるけれど、メンタルもかなり重要。次の試合に向けて調整したい」。新たな挑戦から可能性を広げる。【松本航】

◆北京五輪への道 男女シングル代表は3人ずつ。1人目は全日本選手権(12月、さいたま)優勝者。2人目は同選手権2~3位、グランプリ(GP)ファイナル上位2人、同選手権終了時点での国際スケート連盟(ISU)シーズンベストスコア上位3人から総合的に判断。3人目は2人目の基準に該当した上で漏れた選手、同選手権終了時点でのISU世界ランキング、シーズン世界ランキング各上位3人、日本スケート連盟強化部が派遣した国際競技会、同部が指定した国内競技会におけるシーズン最高技術点の上位2人から総合的に判断して選出される。