東京オリンピック(五輪)個人総合で最年少金メダリストとなった橋本大輝(20=順大)が6種目合計86・497点で、2連覇を飾った。

種目別の鉄棒との2冠を達成した母国五輪を終えて1カ月。王者となって初の実戦で、1年生だった昨年に続く連覇。団体総合、鉄棒も合わせて3冠とした。

「(五輪後の)2週間は寝ても寝ても疲れているような状態で、残り2週間での調整でした。すごく動けているわけではなかったので不安だなと演技してました」としたが、ミスは最低限に抑えた。

あん馬から競技開始。14・933点で滑りだし、続くつり輪が14・233点。跳馬では「手を挙げてからの記憶がない。気合が入りすぎたかな」と回転数を抑える判断をしてアカピアン(伸身カサマツとび1回ひねり)に切り替え、着地もラインオーバーで13・466点と精彩を欠いたが、平行棒14・466点、鉄棒では離れ技を見事に決めて15・133点、最終の床運動は14・266点でまとめた。

五輪王者。その肩書について聞かれると、「僕は変わらない。おごらずに。まだ世界選手権で優勝もしていない。貪欲に、まずは世界選手権を取りたい」と落ち着いて返した。10月に北九州市で行われる21年大会での戴冠を狙う。

五輪直後の学生日本一決定戦としては、08年北京五輪を終えた内村航平が敗れていた。その事は知っており、「航平さんを超えるには勝つしかない」と考えていたという。内村はその黒星から、40連勝という王道を歩んだことを聞くと、「とりあえず勝てたのは良かったですが、来月には心痛む試合(世界選手権)があるので、そっちがしんどいですね」と引き締まった表情をみせた。

8月7日には20歳を迎え、お酒を飲む機会があったそう。兄からビールを進められたが、「苦くて。僕は炭酸水でいいですね」とほほ笑んでいた。