注目の松村きょうだい対決は妹のペアが制した。20年日本選手権優勝の松村千秋(28=中部電力)、谷田康真(27=コンサドーレ)組が、今年の同選手権を制した吉田夕、松村雄組を3勝1敗で下した。日本代表の座をつかんだこの日の第2試合は、3-6と劣勢だった第6エンドに、パワープレーで一挙4点を挙げての逆転勝利。その大量点を呼び込んだのは、エンドの中盤に谷田が放った絶妙なドローショットだった。

   ◇  ◇  ◇

ガードストーンの後ろへと回り込んで止めるドローショットは「カムアラウンド」と呼ばれる。第6エンド、後攻の3投目として谷田が投じた黄色のストーンは、ハウスに近づくにつれて少しずつ曲がり、相手が置いていた赤い石の後ろに隠れる位置でぴたりと停止。この絶妙なショットが決まったことで「絶対に複数点が取れると思った」と谷田。コールした松村千は「その前のショットも同じようなラインから投げていた。谷田選手なら、同じラインに投げたら決めてくれると思っていた」と振り返った。

このカムアラウンド成功によって相手は難易度の高いショットを求められ、ミスを重ねることに。対照的に松村千と谷田のペアは着々とチャンスを広げ、最後は松村千がドローショットを落ち着いて決めた。4点のビッグエンドとし、流れを一気に引き寄せた。