ナショナルチームの長島圭一郎ヘッドコーチ(HC、39)が、24年ぶりの五輪メダルへ現状を分析した。

スピードスケートの10年バンクーバー五輪男子500メートル銀メダリストは、18年平昌五輪後に異なる種目であるショートトラックのHCに就任。98年長野五輪(男子500メートル金メダル西谷岳文、銅メダル植松仁)以来となるメダル獲得を目指し、中長期的にフィジカル面の強化を図ってきた。成果について「圧倒的なスタミナだったり、フィジカルを鍛えなければ、才能だけでは勝てない。厳しい言い方をすれば、20何年(五輪でメダルを)取ってない時点で才能がない。そういうところから、しっかり鍛えないといけない。全体的にちょっとずつですけれど、強くなっているのかな。これを実際の動きに移行できている選手と、できていない選手がいる」と評した。

22年北京五輪では、リレー種目でのメダル獲得を掲げる。この日、五輪の枠取りとなるW杯4大会の代表が決定。新型コロナウイルスの感染拡大で昨季は国際大会を経験できなかったが、今大会では外国人レフェリーを招く新たな試みを行った。長島HCは「やっと実現できた。選手が戦術を立てやすくなる。海外に出た時に『どうする?』というのがなくなる」と意図を説明。W杯を戦う選手に「世界のレベル、日本がどれぐらい伸びているか、正直分からない。1戦目に関しては『過去がこうだったから、こういう感じ』とか、そうじゃなく、今持っているものを全部出してもらって、挑戦してもらいたい。失敗してもいいので、その中で立ち位置を見ていきたい」と求めた。【松本航】

◆北京五輪への道 10~11月に行われるW杯第1戦北京大会、第2戦名古屋大会、第3戦デブレツェン大会、最終戦ドルドレヒト大会を経て、五輪の出場枠が決まる。日本がメダル獲得を目指すリレーで五輪出場枠を得られれば、男女各最大5人。その場合はW杯のリレーに出場した選手から、3人以上が五輪代表に選出される。リレーで出場枠を逃せば男女各最大3人。W杯後に最終選考会の全日本選手権(12月18~19日、大阪)が予定されるが、同選手権前に五輪代表に選出された選手は出場しない。

【W杯代表選手】

◆男子

宮田将吾(阪南大)

吉永一貴(トヨタ・中京大)

菊池耕太(恵仁会)

菊池哲平(帝産クラブ)

渡辺啓太(阪南大)

小池克典(全日空商事)

◆女子

平井亜実(トヨタ自動車)

菊池純礼(富士急行)

神長汐音(全日空商事)

菊池萌水(KHネオケム)

菊池悠希(ANA)

山浦美和子(栃木県スポーツ協会)

【W杯日程】

◆第1戦

中国・北京大会(10月21~24日)

◆第2戦

名古屋大会(10月28~31日)

◆第3戦

ハンガリー・デブレツェン大会(11月18~21日)

◆第4戦

オランダ・ドルドレヒト大会(11月25~28日)