ラグビー日本代表NO8姫野和樹(27=トヨタ)が「世界一の男」を目指す。29日、秋のテストマッチに向けた宮崎合宿を開始。合同インタビューでは親交があり、米大リーグで日本人初の本塁打王を狙う大谷翔平投手(27=エンゼルス)からの刺激を明かした。19年ワールドカップ(W杯)日本大会ではボール争奪の「ジャッカル」が代名詞となった。目標に「世界一のバックロー(FW第3列)」を掲げ、23年ワールドカップ(W杯)フランス大会へ突き進む。

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ワールドカップ(W杯)まで2年。史上初の8強に到達した日本大会との中間点に立ち、最高気温29度の宮崎に代表が集った。姫野はオーストラリア代表の世界的フランカー、マイケル・フーパー主将(29)の名を自ら持ち出し、すがすがしい表情で誓った。

「ニュージーランド(NZ)で抱いた夢があって…。世界一のバックローになりたい。『フーパーよりすごい』って言われ、超えられるようにやりたいです」

今春は世界最高峰スーパーラグビーのハイランダーズ(NZ)に期限付き移籍。国内大会で新人賞に輝いた。王国で学びがあった。

「名だたる世界のバックローは試合に出続けている。常に自分がチームの中でベストな人間になる。世界一の選手には、それが非常に重要だと思っています」

境遇が重なる友がいた。競技こそ違うが、現在米国で同じ94年7月生まれの大谷が本塁打を量産。18年に共通の関係者を通じて会食し、今年も「頑張ろうな」と連絡を取り合ってきた。

「すごいですよね、あれだけの二刀流。彼の競技への向上心と探究心が、いい刺激になる。結果を残していますし、自分も『負けていられない』と思います」

合宿前には強化担当の藤井雄一郎ディレクターが、主将を白紙と言及。姫野はフランカーのリーチが担ってきた大役へ意欲を持つ。

「やっぱり興味はありますし、やってみたいと思う。もしそうなったら自分の良さ、リーダーシップを前面に出す。ただ不安も少し…。大前提で英語能力を伸ばさないといけないです」

世界ランク3位オーストラリア戦から続く強豪とのテストマッチ。1日も無駄にはできない。【松本航】