18年平昌オリンピック(五輪)銀メダルの宇野昌磨(23=トヨタ自動車)が今季公式戦初戦を迎え、2位発進となる89・07点をマークした。

冒頭は4回転フリップが2回転になってしまうミスが出たが、続く4回転-3回転の2連続トーループ、最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)はきっちり決めた。今季SP候補2曲の1つ「オーボエ協奏曲」を舞い終えると、有観客の会場から歓声と拍手が降り注いだ。

演技を終えた瞬間、氷上では首を振って悔しがっていたが、キス・アンド・クライで得点を聞くと、ステファン・ランビエル・コーチとともにうなずき、一定の納得はした様子だった。

試合後は「昨日、フリーはできたら偶然と言いましたけど、SPの方は8割ぐらいの確率で良い演技ができていたので。それを試合で出せなかったのは課題。冒頭(のフリップ)がダブルになってしまい、朝の練習ではアクセルとトーループもはまっていなかった。ダメな方向というか、結果的にミスにつながったんですけど、日本に持ち帰った後、どう対策を取るか考えていく」と反省した。

2季ぶりのGPシリーズ参戦については「歓声がある試合は久しぶりで、試合に戻ってきたんだなと。僕の一番最近のGPを思い出して、フランス大会が懐かしい感じがあって。僕の前が(ケビン・)エイモズさん(今大会と同じ順)。練習の成果を試合で出せない悔しさを目の前で見たんですけど、お客さんの温かさを感じましたし、それを思い出して。それが支えになる時も緊張になる時もあるんですけど、戻ってきたんだなと思いました」と感慨深そうに語った。

最終滑走では、世界選手権3連覇中のネーサン・チェン(22=米国)に転倒が相次ぎ、まさかの4位。宇野はビンセント・ジョウ(20=米国)に次ぐ2位で翌23日(日本時間24日)のフリーへ向かう。この日は乱れた4回転フリップが後半にある構成で「フリーはもっと難しい。フリップは後半なので今日の失敗を生かすほど余裕はないと思う。まずはトーループ、アクセルと(4回転)ループ、サルコーに自分の中でどのように挑んでいくか」と切り替えていた。