全日本選手権3連覇中の小松原美里(29)小松原尊(30)夫妻組(ともに倉敷FSC)が今シーズン初戦を迎え、63・56点の7位で発進した。

ツイズルやダイアゴナルステップ、ローテーションリフトなど、派手なピンクパープルにレインボーカラーをあしらった衣装でディスコナンバーに乗って息の合った演技は披露。自己ベストの68・02点には届かなかったが、美里は「今季初戦で緊張は高かったけど2人で経験を生かしてアタックできた。良かったのはダイアゴナルステップでGOE(出来栄え点)プラスを取れたこと。1つの目標だったので良かった」と一定の手応えはつかんだ。

一方、新プログラム初戦ということで得点が伸び悩んだ部分もあり、美里は「悪かったのはパターンダンスでレベルが取れなかったこと。正直、取れても良かったと思うけど、一番最初の大会なので、ここから良くなるしかないと練習したい」。尊も「楽しい気持ちは伝えたつもりだけど、最後のリフトは自分がバランスを崩してしまった。盛り上がるように早く回りたい」と反省点を挙げた。

選曲の理由については「振り付けがリモートになるのは分かっていたし、ガラッとフリーのスタイルを変えることを理解した上で、世界選手権でディスコで良い評価をいただいたので」と美里。衣装についても「(伊藤)聡美さんが去年、フリー用に青の衣装を作ってくれたんですけど、ぜひ今季は五輪シーズンに日本人のカップルで臨むに当たり、ミラーボールの写真を送ったり(78年の楽曲を手掛けた)シルベスターさんというLGBTフリーなイメージもあるので、レインボーを使ってみました」と紹介した。

24日(日本時間25日)のフリーに向けては「引き続き、心を込めて滑りたい」と美里が言えば、尊も「最初の試合だから点数とか良くない部分はあると思う。でも、2人で一緒に『SAYURI』を演じたい」と日本らしさを表現する曲へと切り替えた。【木下淳】