2季ぶりGP参戦の宇野昌磨（23＝トヨタ自動車）が銀メダルを獲得した。世界選手権3連覇中のネーサン・チェン（22＝米国）が3位。18年平昌オリンピック（五輪）の5位を最後に国際大会10戦無敗だった絶対王者を上回った。

前日のショートプログラム（SP）は2位。フリーは4回転ループで手をついたり、4回転フリップで着氷が乱れるなど得点源のジャンプで満足いく出来ではなかったものの、転倒や回転不足はなく、こらえて、こらえての意地の演技。合計270・68点で、同269・37点だったチェン（SPは4位）をかわした。

この後、SP首位のビンセント・ジョウ（20＝米国）が完璧な演技を披露。大技の4回転ルッツを含む7回のジャンプ全てを成功させ、フリー198・13点、合計295・56点で初優勝した。宇野が2位、チェンが3位。男子の今季GPシリーズ開幕戦は波乱の展開で幕を閉じた。

メダリスト会見に出席した宇野は「正直、この選手たちの中で2位は光栄。ただ今回の結果に関しては、ショート、フリーともに自分の演技が良かった悪かったという感想ではなく、失敗したもの、足りなかったものを日本に持ち帰って（11月の第4戦）NHK杯に向けて練習していきたい」と振り返った。【木下淳】