18年平昌オリンピック(五輪)4位の宮原知子(23)は7位で2季ぶりのGPを終えた。

スケーティング優先のため、挑戦中のトリプルアクセル(3回転半)を回避して臨んだ一戦。壮大な曲「トスカ」に合わせて冒頭の3回転ルッツ-3回転トーループからジャンプを重ねていく。細かい回転不足やエッジエラーなどはあったものの、全7回のジャンプを着氷し、フィニッシュの後は場内がスタンディングオベーション。笑顔で、小さく左の拳を握って満足感を表した。

フリーは12人中6位の134・15点。合計200・51点で、前日のショートプログラム(SP)から順位を1つ上げて7位に。「今できる最低ラインはできたかな。課題はあるけど、全体としては良かったかなと思います。ジャンプは、正直に言うと、どのジャンプも危なかったので。でも、全体としては練習ではできても試合ではできないことが続いていたので、回転不足とか小さなミスよりも、全体としてまとめられたことが良かった」と今季の国際大会初戦にうなずいた。

場内の歓声には「ずっと最後まで気が張りつめていたので。最後のビールマン(スピン)で観客の声が聞こえてきて、そこでうれしくなりました」。最近は悩むことも多かったが「ここしばらく、自分の緊張とうまく向き合えていなくて。精神面の部分が大きかったんですけど、今になってようやく、少しずつ前へ踏み出せるようになってきたんじゃないかな」と米国の地でギアが入った。

次はGPシリーズ第3戦イタリア大会(11月5~7日、トリノ)に出場する。拠点のカナダ・トロントへ戻って調整してからイタリアへ向かい、その後は22年北京五輪の最終選考会となる全日本選手権(12月22~26日、さいたまスーパーアリーナ)に備え、帰国する予定だ。【木下淳】