1番滑走の河辺愛菜(16=木下アカデミー)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を海外で初着氷した。

冒頭、4分の1回転不足の判定は受けたものの3回転半に挑んで降りた。その後もルッツ-トーループの2連続3回転やダブルアクセルからの3連続など全7回のジャンプを大きなミスなくまとめた。

前日のショートプログラム(SP)は3回転半で転倒するなどミスが出て53・30点で最下位。ハイレベルなシニア海外GPの重圧に「昨日の夜からすごい緊張していて、フリーがすごい怖かったんです。でも、回転が足りないジャンプはあったんですけど、一応、全部のジャンプはまとめたので。安心している気持ちが大きいです」と、終わった瞬間は左手を口元に当ててホッとした表情を見せた。

「フリーが…試合がこなければいいのに、って思うくらい怖くて」と笑い、「本当に安心したというのが一番」と、あらためて強調。「昨日は焦ってしまって、あまり頭の整理がつかないまま跳んでいたので。今日はジャンプの前に落ち着くことを決めていました」と穏やかな口調で語った。

フリーは全体6位の133・22点の合計186・52点。「もう少し目標点が高かったんですけど、回転が足りないジャンプもあったので。135点を目標に、その先は140点。まずは135点を目指して頑張りたい」と目指しつつ、この日の出来でSP12位から総合9位に順位を上げた。

3回転半も、手放しでは喜べなかったという。国際大会では跳べる選手が大半で「日本だと、まだあまり周りに跳んでくる人が少ないので。決めたら『降りたー!』って気持ちが大きいんですけど、海外だと周りの方々のレベルが高すぎて(笑い)。ここで安心したらいけないな、と日本よりもちょっとうれしい気持ちは少ないです」と向上心を高める大会となった。【木下淳】