新型コロナウイルスワクチンの接種免除の要件を満たしていないとしてオーストラリアへの入国を拒否された問題で話題になっている、男子テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)が、昨年12月のコロナ感染を接種免除の理由に挙げていたが、陽性判定の翌日にマスクなしで子供が参加するイベントに出席していたことが発覚し、物議を醸している。11日に米CNNなどが報じた。

全豪オープンに出場するため今月5日にメルボルンの空港に到着したジョコビッチは、接種免除に必要な書類が提出できなかったとして入国ビザが取り消され、移民収容所として使われている市内のホテルに収容されたが、これを不服として裁判所に異議を申し立て、昨年12月16日にPCR検査で陽性が確認されたなどと主張していた。コロナから回復したことを理由に接種免除が認められたとするジョコビッチ側の反論が認められ、裁判所は今月10日にワクチン接種免除の特例を認め、ビザ取り消しは無効だと判断して解放された。

しかし、同11日に米CNNなどが、ジョコビッチが裁判所に提出した書類で陽性が確認されたと主張する昨年12月16日の翌日に、セルビアのベオグラードで開催された若手テニス選手のイベントにマスクを着用せずに出席していたと伝えた。 ジョコビッチは表彰式で選手にトロフィーや賞状を直接手渡していたといい、テニス協会のSNSには選手や関係者ら一緒に撮影した記念写真も投稿されている。また、陽性判定が出た当日にもセルビアの郵便サービスが主催した記念切手の発売イベントにも出席していたことがジョコビッチのインスタグラムの投稿で確認されており、分かっているだけでも、感染後数日間にわたって複数回公の場にマスクなしで登場している。

ジョコビッチは4連覇がかかる全豪オープンへの出場に意欲を見せているが、同国のホーク移民相が再び入国ビザを取り消す権限を持っており、17日に開幕する全豪オープンに出場できるかどうかは不透明な状態となっている。

ジョコビッチは20年6月にもコロナに感染しているが、当時も自身が主催したツアー中に密なナイトクラブでマスクを着用せず密接に接触して踊ったり、跳びはねたりとパーティーに興じ、ツアー関係者が相次いで感染する騒動に発展して批判を浴びていた。