「世界のヤマシタ」が次代の道産子アスリートにオリンピアンへの3箇条を授けた。札幌五輪50周年記念行事出席のため北海道を訪れた日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(64)が26日、札幌市・白旗山競技場で、札幌クロスカントリースキー少年団の練習を視察した。視察後の交流会では、招致を進める30年札幌冬季五輪に向け「競技を好きになる」「夢を持ち続ける」「何でも食べる」と強くなるための3つの秘けつを伝授し、8年後の飛躍を期待した。

山下会長が白銀の道場で次代の金メダリストを激励した。寒風の中、長靴を履き雪原に立つと「北京五輪では、たくさんの日本選手が頑張った。その中心は道産子。ぜひみんなも、ぞれぞれの目標に向かい頑張ってもらいたい」と鼓舞。3月下旬にもかかわらず、どっさり雪の残る札幌・白旗山競技場で約40分間、じっと子どもたちを見守った。

参加したのは札幌クロスカントリースキー少年団の16人と恵庭南高スキー部の4人を合わせた計20人。視察後の交流会では、五輪選手になるために大事なことを伝えた。自身は84年ロサンゼルス五輪柔道無差別級で、右足の負傷を乗り越え金メダル獲得。現役時代はギネス記録となる203連勝という前人未到の記録を打ち立てた。史上最強の柔道家は「まずスポーツを好きになる。そう思えるようになると上達する。もう1つは夢を持つこと。人に言わなくてもいい。途中で変わってもいい。夢を持ち続けること」と伝授した。

フィジカル面で大切なことも忘れない。「子どもの頃から何でも食べること」。授けられたレジェンドからの3カ条に、同少年団の国広泰地(札幌北野平小6年)は「山下会長の言葉を聞いて、何でも好き嫌いなく食べて、札幌の五輪に出たいと思った」と感想を口にした。

招致に動いている30年札幌冬季五輪は8年後。同会長は「もし実現できたら皆さんの年代。札幌や北海道からオリンピアンが生まれ夢や感動を与えられるアスリートが出てくることを願っている。みんなの活躍を期待している」。北の大地で生まれた若い才能が、同会長の熱いメッセージを肥やしに、大きく芽をふくらませていく。【永野高輔】

○…交流会には、94年リレハンメル五輪ノルディック複合団体金メダルの阿部雅司氏(56)、スキー距離で14年ソチ、18年平昌と2大会連続五輪に出場した吉田圭伸(35)、パラリンピックのアルペンスキーで10年バンクーバー、14年ソチと2大会連続金メダルの狩野亮(36)も参加した。座位で滑り降りる種目に、子どもたちから「怖くないのか」と質問を受けた狩野は「恐怖心はある。でも、それは練習の積み重ねでしか、ぬぐえない」と答えた。