横浜武道館で17日に行われる柔道の全日本女子選手権(皇后杯)で5年ぶり2度目の優勝を目指す78キロ超級の世界女王、朝比奈沙羅(25=ビッグツリー)が16日、前日取材に応じた。
2日の全日本選抜体重別選手(福岡)は、前々日のPCR検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出たため欠場。その日から入院していたことを明らかにし「練習していて、なかなか疲れが取れないなと思っていたら陽性で。先週の金曜日に退院したばかり。ぶっつけ本番感が非常に強いんですが、まずは王座を奪還して世界選手権(10月、タシケント)の代表に選んでもらえるように」と燃えた。
「体が大きいため重症化リスクがある」との判断で即時の入院を選択した。隔離病棟に入ってから喉の痛み、せき、などの症状はあったが悪化には至らず。「重症化して倒れたらまずいと思い、そのリスクを鑑みて先に投薬だったり、医療的な処置をしていただいた」。練習こそ個室内で体を動かしたり、ストレッチをしたりする程度しかできなかったが、皇后杯に間に合わせた。
「稽古の相手、練習のサポートをしてくださった方々は幸い、陰性でした」と感染拡大しなかったことに胸をなで下ろした一方、独協医大で学ぶ医師の卵としては「即時入院で医療従事者の方々に大変な思いをさせてしまった。迷惑を掛けてしまった」と神妙。不可抗力ながら感謝の気持ちを忘れず、日本一決定戦へ向かう。
練習に復帰した時は当然「感覚が鈍っていた」ものの「今回ばかりは未知数ですけど、限界突破して、試合できるように準備してきた」と言い訳するつもりもない。
昨夏の東京オリンピック(五輪)代表は逃したが、同年6月の世界選手権(ブダペスト)で金メダル。2連覇を目指すためには日本女王に返り咲くしかない。「選抜体重別に出られなかった以上、皇后杯でしっかりした試合をすることが世界選手権に出るための必要最低限。朝比奈は強いな、世界代表にして間違いなかったな、と思われるよう全力を尽くしたい」と重ねて覚悟を示した。【木下淳】


