カーリングの全農日本選手権が22日、北見市のアドヴィックス常呂カーリングホールで開幕する。北京五輪で銀メダルを獲得し、五輪後国内初の公式戦となる女子のロコ・ソラーレは21日、現地で公式練習に臨んだ。

地元北見市常呂町で行われる“凱旋(がいせん)マッチ”。会見に臨んだスキップ藤沢五月(30)は「五輪で応援してくれた方々に恩返しの試合を届けられたら」と2年ぶりの優勝を目標に掲げた。

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すべてのショットに感謝の思いを詰める。五輪後、国内初の公式戦が今季最後の試合となる。藤沢は「今季、長いシーズンではありますが最後の大会を地元北見市常呂でやれることがうれしい。今大会は感謝の気持ちを氷の上で発揮して、みなさんに楽しんでもらいたい」と意気込んだ。

3日目の24日に31歳の誕生日を迎える。26歳で平昌五輪銅メダル、30歳で北京五輪銀メダル。次は34歳で迎える26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪が新たな目標になる。「若いチームやジュニアのチームが育っているのは日本のカーリング界にとっては良いこと。でも私たちも、若さに負けないように頑張らないと」。まずはバースデーを自らの勝利で祝い、次シーズンに弾みをつける。

今大会は昨年男子王者コンサドーレの元スキップ松村雄太(32=TM軽井沢)がコーチに加わる。この日の公式練習でも同コーチやメンバーと入念にコミュニケーションを取りながら約1時間、調整した。藤沢は「(松村は)スキップとして作戦や経験も豊富。今大会もさまざまな意見を参考にして臨むことができる。五輪のときよりも技術的に上がった姿を見せたい」と強い口調で話した。

五輪後はワールドツアー最高峰、グランドスラムと呼ばれるシリーズの1つ、プレーヤーズ選手権(カナダ)に出場し8強入り。「カーリング専用の会場ではなく湿度にも影響される大きなアリーナで戦ったのは貴重な経験。氷への対応力や柔軟性を生かせたら」。高いレベルで得た糧を、存分に生かす。【永野高輔】

■フォルティウス、違うチーム名で連覇を狙う

フォルティウスは違うチーム名で連覇を狙う。昨年は北海道銀行で優勝。チーム名は変わったが当時のメンバーが3人以上残っているため、規定により現フォルティウスが昨年度女王に認定されている。北京五輪最終予選出場権をかけた昨秋の女子日本代表決定戦では、ロコ・ソラーレに2連勝から逆転され敗れた。それ以来の直接対決は25日。スキップ吉村紗也香(30)は「お互いがいいパフォーマンスをし合って、いい試合ができたら」と話した。

■常呂ジュニア、海外経験を生かす

常呂ジュニア 昨年準優勝の若手成長株が、次は頂点を狙う。1月には世界選手権最終予選(フィンランド)に初出場し3勝3敗と健闘。世界切符は逃すもスキップ前田拓海(20)は「フィンランドでは曲がるリンク、曲がらないリンクを経験した。その経験を踏まえ対応力を磨いてきた成果を出したい」。今回はセカンド前田拓紀(18)が体調不良で欠場し、リードの中原亜星(19)がセカンド、リザーブの弟太亜(とあ、17)がリードを務める。